逆子

<逆子を鍼灸で治療>

28週なら70%が正常化-胎児の自己回転を促す治療

鍼灸(しんきゅう)が逆子の矯正に有効です。
逆子はよく知られているように、早産の危険性や帝王切開のリスクなどがあります。
それが鍼灸で矯正できれば、母子にとって大きなメリットと注目されています。

● 妊婦さんの3~5%が逆子
逆子での分娩は全分娩の3~5%を占めるそうです。その原因はまだ分かっていませんが、逆子に伴う主な問題として次のような点が挙げられます。
まず、早産しやすいということです。また、分娩に際しては、分娩に時間がかかる上、赤ちゃんが仮死状態で生まれてきたり、鎖骨骨折を起こすなど、正常分娩に比べて危険性の高いお産になります。
従来、逆子の矯正法には、母親が胸膝(きょうしつ)位という体位を取る逆子体操や、直接おなかの上から手で胎児を回転させる外回転術があります。しかし、前者は有効性が疑問視されており、後者は安全性に問題があります。そこで着目されたのが、鍼灸を主体とした東洋医学の矯正法です。
通常は(1)至陰(足の小指にあるツボ)の灸(2)三陰交(くるぶしの内側から骨に沿って指4本分上のツボ)の刺鍼あるいは灸頭鍼やお灸を、2、3日置きに行います。
刺鍼とは針で軽い刺激を与える治療、灸頭鍼は皮膚に刺した針の頭にうずらの卵大のもぐさをつけ、もぐさを燃やし熱で刺激を与える治療です。
● 副作用の心配がありません
不定愁訴(はっきりしない体の不調)があるような場合は他のツボへの鍼灸を行うこともあります。
一般的に妊娠28週から鍼灸治療を開始したケースでは89.9%、矯正が難しいとされる妊娠34週前後でも42.5%に達しています。
逆子は自然に治るケースもありますが、それと比べても明らかに高い矯正効果だと言えます。このように有効なのは、ツボへの鍼灸が血液の末梢循環を改善するとともに骨盤底筋肉や子宮の筋肉に作用し、胎児の自己回転を促すからと考えられます。もちろん、副作用の心配はありません。
また、至陰や三陰交のお灸は、やり方を覚えれば自宅でもできるメリットがあります。
逆子と分かったときには、妊娠26~28週ぐらいからこの矯正法を始めると良いです。

●ふくた院長から一言●
逆子は帝王切開予定日の直前まで鍼灸治療を続けて、帝王切開当日の産婦人科の手術前の検診で逆子がなおっているという例も実際にあります。
つまり、逆子治療のタイムリミットは帝王切開当日と言う事です。
赤ちゃんの為にも、そしてご自身の体の為にも、諦めずに、鍼灸の逆子治療を試してみませんか?